
2026年06月29日
StoryHub VP of Businessの高野です。
「書きたいことは決まっているのに、なかなか書き出せない」
この感覚は、私自身もよく経験します。そんなときは、スマートフォンの録音ボタンを押し、10〜20分ほど一人で話してみる。その音声をAIで記事化するだけで、ゼロから書く「重さ」が嘘のようになくなります。
実際にこちらの記事は、20分セルフインタビューした録音を元にStoryHubで作りました。
「30歳で死ななくてよかった」フリーターからはてな・スマートニュースを経てStoryHubのVPになった紆余曲折キャリア #社会人一年目のわたしへ
そしてコンテンツマーケティングのためにオウンドメディアを立ち上げたものの、継続して記事を更新ができない。多くの企業が直面するこの問題は、担当者の意欲や才能のせいではありません。
記事を書くことは取り掛かるまでの気持ちの重さがある上に個人依存してしまうことが多い上に、チームで継続的に発信していくには、属人性排除といった課題も出てきます。
この記事では、オウンドメディアの継続的な記事制作が頓挫する4つの構造的原因を解き明かし、明日からでも実践できる立て直し方を解説します。
なお、「予算がなくなった」「戦略を変更した」「効果がなかった」という理由でオウンドメディアの更新が止まることもありますが、この記事では「続ける意思があるのに続かない」ケースに限ります。
コンテンツ制作の大きな壁は、白紙のドキュメントと向き合う「取り掛かりの重さ」です。これはオウンドメディアの担当者だけでなく、日々文章を扱うプロの編集者でさえ感じています。あるEdTechスタートアップの担当者は、「月1本ブログを更新するのが精一杯だった」と打ち明けてくれました。
さらに制作を個人に依存してしまった結果、あるBtoB SaaS企業では、「メンバーの退職でリソースが激減し、それまで月30本出せていた記事が作れなくなった」と語っていました。
では外部のライターにお願いすればよいかというと、またここには違った重さがあります。私も何度も外部のライターに記事制作を依頼した経験がありますが、専門的なテーマについて意図を正確に伝え、品質を担保するためのコミュニケーションコストは決して小さくありません。ブリーフィング資料の準備が億劫で、つい後回しにしてしまう。その結果、発信のスピードが落ちていく。こうした悪循環は、多くの現場で起きているのではないでしょうか。
ここからもう少し、オウンドメディアの記事制作が続けられなくなる理由を細かく紐解いていきます。
オウンドメディアが続かない背景には、単一ではない、複数の構造的な原因が絡み合っています。ここでは、多くの企業で見られる4つの典型的なパターンを整理します。

最も頻繁に聞かれるのが「リソース不足」です。しかし、「人を増やせば解決する」と考えるのは早計です。根本的な制作プロセスが見直されない限り、担当者が増えてもコミュニケーションコストが増大するだけで、生産性は思うように上がりません。問題は人数ではなく、制作の仕組みにあります。
外注は有効な手段ですが、依存しすぎると新たな問題を生みます。専門性の高いテーマでは、意図を理解してくれるライターを見つけるだけで一苦労です。あるAIコンサルティング企業では、「外注ライターの初稿がイメージと全く違い、結局自分でほとんど書き直すことになった」という経験がありました。
さらに深刻なのは、制作ノウハウが社内に蓄積されないことです。外注に頼り続けると、自社でコンテンツの品質をコントロールする力が育たず、いつまでも外部パートナーへの依存から抜け出せません。
制作プロセスが特定の担当者のスキルや経験に依存している状態も、継続を妨げる大きな要因です。
例えば、複数人がそれぞれ生成AIを使うと、各々が書くプロンプトがバラバラになり、アウトプットの文体や品質にブレが生じます。
ある金融系SaaS企業の広報担当者は、「ブランドトーンを統一することが困難だった」と語ります。担当者が交代すれば、それまで培ったノウハウは失われ、またゼロからのスタートになってしまいます。
当初思い描いていたネタを書ききってしまい、更新ができなくなるというケースです。ただ実は見落とされがちなのですが、多くの企業には、コンテンツになり得る一次情報が大量に眠っています。
開催して終わりのウェビナー録画
取材済みで未公開のインタビュー音声
採用コンテンツに使えるはずの社員サーベイのデータ
テレビで放送されたきり、デジタル化されていないVTR
情報(ネタ)がないのではなく、社内にある一次情報をコンテンツに「変換するプロセス」が存在しない。これが、多くの企業が気づいていない機会損失です。
ここまで挙げたリソース不足、外注依存、プロセスの属人化はAIをワークフローに組み込むことで解消できることもあります。ただし気をつけなければ、AIによる粗悪な記事の大量生産、ハルシネーションによるブランドリスク、ブランドトーンの不統一といった問題が出てきます。
これらの記事で、対処法をまとめていますので、よければご参照ください。
「何を書けばいい?」から抜け出す:オウンドメディア立ち上げ前の編集方針・体制設計ガイド
AIでオウンドメディアの記事を量産する体制づくり:一次情報(素材)・型・原稿作成・公開の4ステップ
今回の記事では、主に書き出す取り掛かりが重い、ネタがないという理由で記事の制作が続かないケースにどう対処するかを中心にご紹介したいと思います。
では、ゼロから書く取り掛かりが重い、ネタがない、を解消するにはどうしたらよいでしょう。そのための準備として、誰でも翌日から始められる「一次情報の棚卸し」を紹介します。
まずは、社内にどんな一次情報が眠っているかを可視化します。スプレッドシートやドキュメントを開き、以下のフォーマットでリストアップしてみてください。
種類 | タイトル/内容 | 分量 | 記事化済? |
ウェビナー録画 | ○○勉強会 5月 | 60分 | ✗ |
社員インタビュー | 田中さん入社理由 | 音声30分 | ✗ |
議事録 | 4月戦略会議 | 3000字 | ✗ |
このリストに、記事化されていない素材が3つ以上見つかれば、あなたのチームは今日からでも記事を作れる状態にあると言えます。
こちらの記事の中で、一次情報の棚卸し方法をもう少し詳しく紹介していますので、よろしければご参考ください。
AIでオウンドメディアの記事を量産する体制づくり:一次情報(素材)・型・原稿作成・公開の4ステップ
一次情報が見つかったら、次はそれを記事に変換する一つの例を紹介します。ここで、冒頭で紹介した私自身の方法が役立ちます。
「書きたいテーマについて、スマホで10〜20分話して録音し、それをAIで記事化する」。
これは、ゼロから書くのではなく、「自分の言葉」という一次情報を素材にして、AIに変換させるプロセスです。この方法を取り入れるだけで、記事作成の心理的ハードルは劇的に下がります。

「一次情報を記事に変換するプロセス」を組織に導入すると、単に時間が短縮されるだけではありません。チームの文化や可能性そのものが変わっていきます。
制作の「重さ」が消えることで、チームはより積極的になります。あるHR系SaaS企業では、「これまではリソースを理由に断っていた取材依頼も、受けられるようになった」という変化がありました。
工数が削減され、外注費が抑えられる。それだけでなく、これまで積極的でなかったスタッフが「私、書きます」と自ら手を挙げるようになる。
ある地方テレビ局では、「テレビ放送に加えて記事でのデジタル配信もパッケージ提案しやすくなった」と、ビジネスの新たな可能性にもつながっています。
プロセスが定着すると、次のステップとして「型」の重要性が見えてきます。記事の構成、文体、トーン、表記ルールといった、これまで担当者の頭の中にしかなかった「編集方針」を言語化し、誰でも再利用できる資産にするのです。
これが、属人化を解消し、組織として安定した品質のコンテンツを出し続けるための本質的な価値となります。
もし、あなたのチームが「オウンドメディアの記事が更新できない」という課題を抱えているなら、今日からできることがあります。
まずは、自力でできることから。社内に眠る一次情報を棚卸しし、それを記事に変換する最小限のプロセスを設計してみてください。
そして、そのプロセス設計やチームでの運用を本格的に効率化したいと考えたとき、StoryHubのようなツールが選択肢になります。
「StoryHub」は、一次情報をアップロードして、事前に作成した「レシピ(記事の型)」を選ぶだけで、記事を生成することができます。この記事で紹介した「取り掛かりが重い」「プロセスの課題」を解決できる記事制作ツールです。ご興味のある方はお問い合わせくださいませ。