
生成AI時代に重要度が増す「ナラティブ」を語り、国や領域を超えて起業家から「選ばれるVC」になるために。ジェネシア・ベンチャーズのStoryHub活用
株式会社ジェネシア・ベンチャーズ
主にシード(創業初期)ステージのスタートアップ投資を主軸に、日本だけでなく東南アジア・インドで活動するベンチャーキャピタル(VC)の株式会社ジェネシア・ベンチャーズ。
株式会社HRBrainや株式会社タイミーなどへの投資実績を誇るなか、宇宙、半導体、エンターテイメントなど、向き合う起業家の領域も多様化。現在のVCは、起業家から「選ばれること」が大切であり、そのためには自らが「何者か」を示す発信力が求められているといいます。しかし、情報発信に対するクオリティへの心理的なハードルや制作作業の負担の大きさが、コンテンツ制作のボトルネックになっていました。
オールインワンAI編集アシスタント「StoryHubスタジオ」の導入後は、投資先インタビューやイベントレポートの制作時間が大幅に短縮されると共に、レシピの共有により制作プロセスの属人性も大幅に軽減。自社サイト内の「Insights」ページを中心に、PRチーム・キャピタリスト双方が発信に参加しやすい環境が整いつつあります。
投資担当を務める河野優人さん、PRやブランディング支援に携わる柏崎千佳さんに、導入の経緯や今後の利活用について伺いました。
プロフィール
河野優人さん(Principal)
2017年入社。一貫して投資担当として、ソーシングからデューデリジェンス、投資実行、投資後支援までを担う。インドネシア・ベトナム拠点の立ち上げや現地メンバーの採用にも携わった。柏崎千佳さん(Head of Brands)
2025年入社。バリューアップチームに所属し、投資先へのPR・ブランディング支援と、ジェネシア・ベンチャーズ全体のブランディング方針の策定を担当。前職はビジネスメディア「Forbes JAPAN」でビジネスサイドに約8年間従事。
導入前の課題
・内製でコンテンツを制作・発信するスタンスは創業期からあったものの、クオリティを求める心理的ハードルが高く、継続的な発信には一定の負荷がかかっていた・音声データから記事構成を組み立てるプロセスに工数がかかり、取材素材を記事として形にするまでに時間を要することがあった
・各キャピタリストが持つ知見や情熱を、コンテンツとして外に出しきれていなかった
導入後の効果
・音声データから構成案作成までが手早く取り掛かれ、制作の初動が大幅に短縮。仕上がり、表現調整に自分の時間を集中できる・レシピの共有により記事制作の再現性が高まり、制作プロセスの属人性が大幅に軽減した
・ベトナムチームの英語素材から日本語記事を生成するなど、クロスボーダーでの活用が広がった
・コンテンツの発信量も増加しており、今後は更に強化していく予定
——VC業界において、コンテンツ発信の重要性が高まっている背景を教えてください。
河野さん:以前は起業家がVCを訪ね、VCが持ち込まれた事業を見て判断するという構図が相対的に多かったと思います。しかし昨今はVCから「進んで起業家に会いに行く」といった側面が強くなっています。さらに、起業家の領域もかつてのインターネットビジネス中心から、宇宙、半導体、エンターテイメントなどに拡大しました。
今は、私たち自身が「ジェネシア・ベンチャーズとはどんなVCなのか」を起業家に自己紹介するところから始まることも多い。起業家に選ばれるためには、近しい分野に対する深さや思い、熱量があって初めて「この人なら話せる」と思っていただけることが大切。各キャピタリストが持つ強みや「実現したい世界」を明示し、磨き込んだ仮説やナラティブを発信しなければ、起業家に認知されることもないのです。

——キャピタリストは、どのようにアウトプットを活かすべきだとお考えですか。
河野さん:VCの仕事は、ほとんどの時間を「人と話すこと」に注いでいます。新規の起業家、投資先、パートナーのVC、事業会社。彼らと日々対話しているので、ある意味でアウトプットはしている。ただ、そこで生まれたものを話した相手だけで閉ざすのか、外側の人たちにまで届けていけるのかで、同じコアを持っていても成果が大きく変わってきます。
——VCの方には、情熱や知見を持ちながら、それを十分に発信できていないケースもあるのでしょうか。
河野さん:情報発信が上手な方は個人レベルでいらっしゃいますが、得意不得意はあります。特定分野に対して情熱と知識を持っていながら、うまく発信できていないケースは多くあります。それは俯瞰して見ると業界的にも良くない。情熱と知見を持つVCと素晴らしい起業家が組めば、事業の成功可能性は高まるはずなのに、マッチングしないのは機会損失というほかありません。
——AIが普及し、誰もが情報を発信しやすい時代になっています。そうしたなかで、今後はどのような発信が重要になると考えていますか。
柏崎さん:情報が溢れる時代ですから、文字だけでなく音声など多様なフォーマットを用意し、どれだけコンテンツに触れてもらえるかが重要だと考えています。特に「なぜやるのか、なぜ今なのか」を表す「ナラティブ」が、ますます大切になっていると思います。言わば「その人にしか作れない部分」で差別化がしていくことがますます重要になると思います。それらをいかに言語化し、発信していくかが求められていると思います。
——StoryHubの導入前、コンテンツ制作においてどのような課題がありましたか。
河野さん:創業期から「VCとして情報発信をしていこう」というスタンスはありました。ただ、更新を優先するあまり内容の薄いものをたくさん出してしまうと、ブランドの価値を下げるリスクを感じてしまい、それが心理的ハードルになってもいたんです。「もう少し磨き込まなきゃ」「もっと良くしよう」と、延々と内容を練っているような状態が続いていました。

——StoryHubを導入したきっかけを教えてください。
柏崎さん:情報発信ができていない状態を変えようと導入を検討していたタイミングで、弊社が主催するイベントにStoryHubの代表(※田島将太)が来てくださったんです。トークセッション後の懇親会で「今日のお話、記事化できました」とその場で見せてくれました。「こんなスピード感で作れるのか!」という衝撃をすごく覚えています。その場に私の上長もいたので、それなら社内で使ってみようかという話になりました。
——最初はどのような用途から活用し始めましたか。
柏崎さん:まずはイベントレポートから使い始めました。長時間の音声は文字起こしさえ手間がかかるものですが、StoryHub導入によって、音声を入れるだけですぐ要点を掴んで記事化できるようになったのは大きいです。他にも毎月、LP(ファンドへの出資者)のみなさん向けに提出する投資報告書を作成する際に、各プロジェクトや活動共有の際にも活用しています。日々の業務においても、StoryHubで効率良く作れるところから使い始めていますね。
——StoryHubを使うようになって、制作プロセスにどのような変化がありましたか。
河野さん:記事を作るときには、全体の構成を作る部分と、それを仕上げていく部分の二段階があると思っています。まず、これまで何十本と出してきた取材記事を元データとして入れたうえでレシピを生成することにより、録音データをもとにした構成の作成まではすぐに進みます。その分、表現を変えたり、細かな調整をしたりと、記事を仕上げる工程に時間を使えるようになりました。最初のスタートのところが一気に突破されるイメージです。
——以前は音声データを構成に落とす作業がボトルネックだったのでしょうか。
河野さん:まさにそこがすごく重たかったですね。録音データがあることは分かっていても、なかなか手をつけられずに寝かせてしまうこともあって……。すぐに形にできるようになったのはありがたいですね。手応えをつかめてきたからこそ、今後は日々のコミュニケーションのなかで生まれている情報を、うまく発信につなげることにもトライできるんじゃないかと思っています。
——PRチームとしては、導入後にどのような変化を感じていますか。
柏崎さん:レシピをチーム内でシェアできるのが、とても良いですね。当社は、私の入社前からたくさんの記事を出してきていて、それぞれの連載や記事にビジョンが根付いています。これまでは、そうした記事づくりの型が個人の経験やノウハウに依存して属人的になっていた部分もありましたが、今ではチーム内でシェアできるようになりました。レシピをもとに何度か調整すれば、誰に頼んでも一定のクオリティで制作が進められるため、チーム内でタスクが空いている人に依頼するなど、柔軟にタスクを分担できるようになったのも大きいですね。

——キャピタリストは、具体的にどのようなコンテンツにStoryHubを活用していますか。
河野さん:投資先の起業家インタビュー記事に活用しています。シンガポールの投資先である「Docquity(ドクイティ)」のCEOが来日された際、まさにこの部屋でスマホを使ってインタビューを録音し、そのデータをStoryHubにアップロードしてコンテンツにしました。他のキャピタリストも同様の動きを試し始めているところです。
——海外チームでの活用事例もあるのでしょうか。
柏崎さん:ベトナムにも当社のメンバーがいますが、彼らもイベントを開催しています。その英語の音声データをもらって、日本チームで翻訳・記事化するという形で、クロスボーダーの発信にもStoryHubを活用しています。

——今後、StoryHubにどのようなことを期待されていますか。
河野さん:私自身、自分たちの価値を客観視するのがすごく難しいと感じています。社内で盛り上がった議論も、コンテンツとして出そうとした瞬間に「世間的には大した話ではないんじゃないか」と感じてしまう。そこでStoryHubが「この話はおもしろい、ぜひ出したほうがいい」と背中を押してくれるような機能が出てくるとうれしいですね。みんな、そこでビビってしまうので(笑)。
——英語での発信についてはいかがですか。
河野さん:海外のVCが日本のスタートアップに投資するケースも増えています。海外の方が「日本のエンタメ分野で誰と話すべきか」と調べたときに、ジェネシア・ベンチャーズのキャピタリストが見つかることでつかめる機会は大きい。英語での発信はより重要度が高まっていますし、StoryHubがある今なら可能になったのではないかと思います。
柏崎さん:英語の記事と日本語の記事では、適した構成がまったく違うと感じています。直訳した記事はそのままでは出せないものが多いので、英語記事用のレシピの作り込みを模索していきたいです。

——理想のコンテンツ運用の姿を教えてください。
河野さん:AIOやSEOの観点から、自社や個人が今どのように表示されるのかを捉え、「こういう情報を出したほうがいい」と提案してもらう。それをもとにコンテンツを制作し、クオリティを高めながら発信する。そして、その成果をもとに、また次の発信につなげていく。
StoryHubが描いているコンテンツライフサイクルを、人とAIを掛け合わせて伴走していただけるのが理想です。StoryHubはそれができる会社だと思っているので、期待しています。
——最後に、StoryHubの社会的な可能性について、お考えをお聞かせください。
河野さん:価値あるサービスや思いを持っているのに、それがうまく届かないことで、提供する側と必要とする側の双方が機会損失している状況があります。生成AIだけでなくフィジカルAIも普及し、機能面はコモディティ化していき、「なぜそれをやるのか」という思いの部分の価値が上がっていくと思います。
StoryHubがまだ埋もれている思いをちゃんと掘り起こして、それを届けるべき人に届けられるインフラになっていけば、価値の提供者と受益者が適切にマッチングする世界が作れる。そういう未来になってほしいと個人的に願っています。
執筆: StoryHub(AI編集アシスタント)
編集:インクワイア
撮影:加藤甫
\ 今なら14日間無料体験中 /
無料で資料請求する
Contact
資料をご希望の方は以下の項目を入力してご請求ください。
営業にて確認後、資料送付致します。