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取材の「仕込み」をAI と協業に——ダイヤモンド社が見つけた、StoryHubの編集エージェントの使い方

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2026年07月29日

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株式会社ダイヤモンド社

タイアップ記事の制作で最もリソースがかかるのは、実は「記事を書く」瞬間ではありません。

株式会社ダイヤモンド社で広告制作を担うチームは、日々多数のタイアップ記事を手がけるなかで、あるジレンマを抱えていました。取材前のリサーチ、インタビュー構成の設計、代理店への切り口提案、セミナー集客メールの作成。記事が完成するまでには、本文執筆の前後に膨大な「仕込み」の工程が積み重なっています。

その仕込みの一部を、StoryHubの「編集エージェント」が担い始めました。今回は同社の担当者に、具体的な活用シーンと現場の実感、そして今後への期待を伺いました。

■プロフィール

前田剛さん(株式会社ダイヤモンド社 ブランディング事業局ブランドスタジオ部 エキスパート)

ブランディング事業局ブランドスタジオ部 エキスパート。編集エージェントの活用実績が最も多い。

鈴木淳一さん(株式会社ダイヤモンド社 同部署 副部長)

同部署 副部長。主にタイアップ記事の制作、動画の制作を担当。StoryHubアカウントの管理者として、チームの利用量(クレジット)管理も担う。

導入前の課題
・タイアップ記事制作において、取材前の企業リサーチや構成案作りに多大な工数がかかっていた

・代理店との折衝に間に合わせるための、短時間での切り口提案が難しかった

・音声素材だけで記事を生成すると、事前に作成した構成案が反映されない場合があった

・セミナー集客メールを案件ごとに1から作成しており、属人的な対応になっていた

StoryHub導入後の効果

編集エージェントが過去素材や関連記事を参照し、インタビューの切り口・質問案を自動提案

・代理店への提案資料として使える企画書の初稿を、短時間で用意できるようになった

・構成案と取材音声を組み合わせることで、意図通りの記事構成が再現できるようになった

・セミナーのLPから、ターゲット別(CFO向け・取締役向けなど)の集客メールを複数バリエーションで自動生成

目次

「記事を作る前が、一番大変だった」。タイアップ制作に潜む“仕込み”の負荷

——まず、ダイヤモンド社の広告制作部門について教えてください。

鈴木さん:私どもの部署は、週刊ダイヤモンドなどのジャーナリズム部門とは完全に切り離された、広告専門の制作部署です。タイアップ記事の制作はもちろん、イベント運営やリード獲得施策なども同じチームで担っています。

——タイアップ記事の制作において、StoryHubを使い始める前はどのような課題がありましたか。

鈴木さん:一番の課題は、記事を書く前の工程です。タイアップ記事の制作は、本文を書くこと自体よりも、その前の「仕込み」に相当なリソースがかかります。取材先の企業リサーチ、インタビューの構成案作り、代理店への切り口提案、取材時の質問案の整理、これが記事1本ごとに発生します。

前田さん:しかも、案件によっては「先方から事前情報がほとんど出てこない」「代理店のオリエンテーション資料が当日まで届かない」ということも少なくありません。資料が揃わない中でも、代理店との打ち合わせには具体的な切り口を持って臨まなければなりません。

鈴木さん:多くの場合、受注からオリエンはだいたい1週間、そこから取材まで1週間です。準備にかけられる時間は限られている。しかし記事の良し悪しは「仕込み」にかかっているためおろそかにはできません。

——その状況で、StoryHubの編集エージェントを使い始めたきっかけは何だったのでしょう。

前田さん:正直に言えば、最初から「仕込みに使おう」と明確に意図していたわけではありません。使ってみるなかで、「これは記事を作るだけではなく、企画フェーズでこそ力を発揮するのではないか」と気づいていきました。

——実際に編集エージェントを使ってみて、他のAIツールとの違いをどのように感じましたか。

鈴木さん:一番大きいのは、過去に蓄積した自社の素材(過去のタイアップ記事、取材原稿、関連資料)を参照しながら回答を生成してくれる点です。他のAIツールは、出力に文字数制限があったり、参考文献の渡し方が煩雑だったりします。StoryHubは、自分たちが持っている素材をそのまま「文脈」として読み込ませた上で、提案を出してくれる。そこに、他のツールにはない価値を感じていて、「他のAIだけを使えばいいじゃないか」とはならないんです。StoryHubは、他のAIとも併用して使えるツールとして、価値があると思います。

編集エージェントの活用、3つの現場から

Case 1|構成案と音声を組み合わせ、意図どおりの記事を再現する

——まず、記事制作での直接的な活用事例を教えてください。

鈴木さん:取材音声からそのまま記事を生成する場合、StoryHubはインタビュー内容を読み解いて記事を作ってくれます。ただ、私どもは取材前に構成案をしっかり作り込んでいます。構成案と当日のインタビューには、どうしても若干のズレが生まれることもある。そこで、音声だけでなく「構成案」も素材として一緒に投げ込みながら、「構成案に従って記事を作ってください」という指示を編集エージェントに出しました。

——その結果はいかがでしたか。

鈴木さん:構成案に従った形で、導入・展開・事例・まとめという流れがきちんと再現されて出力されました。音声だけで生成した場合と比べると、フィーチャーすべきポイントが明確に指示されているぶん、仕上がりが変わってきます。こちらの意図をきちんと反映してくれる、という感覚は実際にありました。

Case 2|情報ゼロから、代理店提案に使える企画書が短時間で整う

——続いて、取材前の企画立案での活用について教えてください。

前田さん:大手メーカーへのタイアップ取材の案件で、先方の担当者が多忙なこともあり、どんなテーマで話していただけるかという事前情報がほとんど出てこない状況でした。それでも代理店との打ち合わせは近づいている。そこで、「この人物にインタビューするとしたら、どんなテーマがよいか」という、かなり大まかな問いかけを編集エージェントに投げてみました。

——そこで、どのような素材を読み込ませたのでしょう。

前田さん:過去に自社で手がけてきた同社関連のタイアップ素材、その企業の工場に関連するさまざまな記事や情報、そして今回インタビューする人物の立場や背景、それらをすべて参照させました。その上で、編集エージェントが3つの切り口案を提示してくれました。単にテーマを並べるだけでなく、「アイスブレイクのオープニングで何を聞くか」「どういった問いで核心に迫るか」「最後にどんなメッセージを引き出すか」という、インタビュー全体の流れまで整理されていたのが印象的でした。

——その企画案は実際に役立ちましたか。

前田さん:翌日の代理店との打ち合わせで、その切り口を提案したところ、概ね了承を得られました。さらに「企画案に沿って質問案を作ってください」と指示を出すと、10本超の質問案が生成されました。そこから不要な質問を削り、順番を調整して、最終的に「今回の目的・流れ・構成」が整理された企画書として仕上げてもらいました。情報がほとんどない状態から、代理店への提案資料として使えるものが短時間で揃う。これは本当に助かりました。

——別の案件でも同様の使い方をされているとのことでしたが。

前田さん:はい。別の企業との連載タイアップ案件でも同じように活用しました。事前情報として代理店が取引先と交わしている定例ミーティングの資料と、直近に公開されている関連記事を読み込ませて、「初回のタイアップをどんな構成にするか」という切り口案を出してもらいました。3案提示されたうちの2案が、「なぜ」という問いかけから入るA案と、「何が」という問いから入るB案という対照的なアプローチでした。代理店の担当者にどちらも見せたところ、「どちらもいい」という反応をもらえました。時間的に非常に迫っていた案件でしたので、あれだけ素早く提案の形に持っていけたことは、大きな安心感につながりました。

Case 3|LP1枚から、CFO向けと取締役向けのメールが自動で出てくる

——セミナー集客でも編集エージェントを活用されているとのことで、詳しく教えてください。

鈴木さん:私どもの部署ではセミナーの企画・集客も担っています。1つのセミナーにつき、ターゲティングメールを5から10回程度送ることがあります。作成したメールのCVRが悪い時は、ターゲットの役職や関心に合わせた内容に変えて作り直す必要があるため、単純に工数がかかります。

——そこで、どのように編集エージェントを活用しましたか。

鈴木さん:セミナーのLP(ランディングページ)の情報を素材として読み込ませ、「セミナー集客用のメールを作ってほしい。目的はセミナーの集客を最大化させるターゲティングメール作成」という形で依頼しました。するとCFO向けのメールと、取締役・担当者向けのメールという形で、2パターンが自動的に生成されました。ABテストができる複数バリエーションが一度に出てくる、というのは非常に助かりました。さらに「こんな方におすすめ」「本セミナーの注目ポイント」という箇条書きも加えてほしいとオーダーしたところ、LPの内容からそれを判断して、きちんと盛り込んでくれました。

——課題はありますか。

鈴木さん:私たちなりのメールの「型」、構成や順番の固定パターンがあるので、そこはまだ編集エージェントには伝え切れていません。今後は構成案のような形で型を読み込ませて、その型に合わせた出力になるようにブラッシュアップしていきたいと思っています。

リサーチから記事生成まで、一連の流れをStoryHubで完結したい

——今後、StoryHubをどのように使っていこうと考えていますか。

鈴木さん:今回の活用事例を振り返ると、私が一番価値を感じているのは、記事を完成させる場面よりも「取材の前」「企画を詰める段階」です。情報が足りない部分を、過去素材や関連情報から引っ張ってきて提案してくれる、その力が、現場で一番効いています。理想を言えば、企業リサーチから始まり、構成案の作成、インタビュー質問の設計、代理店への企画提案、そして取材後の記事生成まで、一連の流れをStoryHubの中で完結できるようにしたいと思っています

前田さん:今は構成案を作成する際も、メンバーによってフォーマットがバラバラです。そこが標準化できれば、工数を大幅に削減できると思います。StoryHubにレシピとして構成案のテンプレートが実装されれば、誰が担当しても同じ品質でアウトプットできるようになる。チーム全体の底上げにつながります。

——StoryHubへの要望があれば聞かせてください。

前田さん:いくつかあります。まず、編集エージェントで作成した企画案のようなアウトプットを、WordやPDFとして直接ダウンロードできる機能があると非常に助かります。現状、コピー&ペーストで整形する手間が生じています。

また、編集エージェントはクレジットの消費量が多い点やクレジットの追加手続きがもう少しスムーズになれば、といった気がかりはありますが、これらは対応予定と伺っているので、対応をお待ちしたいと思います。

——最後にお伺いさせてください。StoryHubをどのような存在として位置づけていますか。

鈴木さん:「他のAIツールで代替できるか」と問われれば、そうではないと思っています。自社の過去素材を参照した上で提案を生成してくれるという点は、StoryHubの固有の価値です。タイアップ記事の制作は、素材の蓄積が重要です。案件を重ねるほど、過去の成果物がStoryHubの中に積み上がっていく。それが次の企画の質を高める資産になる、という循環が生まれつつあると感じています。他のAIと併用しながら、StoryHubにしかできない使い方を、これからも探っていきたいと思っています。


取材・構成: StoryHub「編集エージェント」、StoryHub カスタマーサクセス 牛見暁

執筆: StoryHub スタジオ

編集: インクワイア

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