
今はコンテンツ制作者にとってのゴールデンタイム。Neo Sports InsightがStoryHubの導入で変化したAIに向き合う“現場”の姿勢
2026年03月06日
株式会社Neo Sports Insight
競馬専門メディア「Winsight」やスポーツ総合メディア「SPREAD」などを展開する株式会社Neo Sports Insight。同社では、日々のニュースやトレンドを追うWebメディアの運営において、リソース調整と記事品質の担保という課題に直面していました。そこで導入されたのが、AI編集アシスタント「StoryHub」です。
導入後、取材から執筆までの時間を約2時間から30分へと大幅に短縮することに成功。Marcom Div.の岩本さんは、現在のメディア環境を「アイデアが形になりやすいゴールデンタイム」と表現します。単なる効率化にとどまらず、データを起点とした新たなコンテンツづくりへの挑戦についてお話を伺いました。
■プロフィール
岩本 健吾さん
株式会社Neo Sports Insight
Marcom Div.
邦楽インディーズのバイヤー/制作を株式会社ディスクユニオンで経験した後、株式会社メディア・ヴァーグに入社しWebメディアの世界へ。コンテンツ編集、媒体運用、プログラマティック広告などに従事。現在は株式会社Neo Sports Insightにて、新規プロジェクトや運用最適化に向けた施策立案・実施、AI活用をリード。
■サマリ
導入前の課題
・フロー型メディアとして必要な記事本数に対し、リソースが不足していた。
・新しい切り口の記事を試す際、手間と成果のバランスが見えず着手しづらかった。
・汎用的なAIツールではプロンプトエンジニアリングの負担が大きかった。導入後の効果
・取材から執筆までの時間を約4分の1(2時間→30分)に短縮。
・データに基づく記事の制作ハードルが下がり、発信量が増加した。
・「レシピ」機能により、属人性を排した安定的なアウトプットが可能になった。
・StoryHubの導入によってAI活用に対する編集部の意識が変化した。
——まず、貴社の事業内容と、岩本さんが所属しているチームの役割について教えてください。
岩本さん: 私たちはスポーツに関連するWebメディアを複数展開しています。主な媒体としては、2025年にローンチした競馬専門メディア「Winsight」と、スポーツ総合メディア「SPREAD」があります。「Winsight」は無料記事に加え、月額サブスクリプションや独自の指数データを提供するモデルで、「SPREAD」は広告モデルを採用しています。
私が所属するMarcom Div.は、約10名のチームで構成されています。以前は機能ごとに縦割りの組織でしたが、直近1〜2年で体制を変更しました。AIの活用により、編集の専門職でなくてもコンテンツ制作に関われたり、逆に記事制作がメインだったメンバーがディレクションや開発に携われたりと、領域を横断できるようになったためです。現在はワンチームとして、2つのメディアのグロースに取り組んでいます。

——StoryHub導入以前は、どのような課題を抱えていたのでしょうか。
岩本さん: 日々のニュースやトレンドを扱うフロー型のメディアである以上、どうしても記事の本数が必要になります。しかし、質を担保しながら取材やリサーチを行い、執筆まで完結させるにはリソースが追いつかないという課題がありました。
特に、既存のルーティンではない新しい切り口や型にない記事を試そうとする際、どうしても腰が重くなってしまいます。実際に労力をかけて執筆しても、思ったような仕上がりにならないこともありました。「やってみたけれど徒労に終わる」というリスクを恐れ、新しいチャレンジが後手に回ってしまう状況をどうにかしたいと考えていました。
——課題の解決にChatGPTやClaude、Geminiなどの汎用的なAIツールの活用は試したのでしょうか。
岩本さん: もちろん汎用的なAIツールでも効率化は可能だという認識はありましたが、使いこなすのは一筋縄ではいきませんでした。求めるアウトプットを出すためには、「あなたは優秀な編集者です」と役割を与えたり、マークダウン記法で構造化して指示を出したりといったプロンプトエンジニアリングが必要です。
メディアに長く携わり、筆力や経験があるメンバーほど、「プロンプトを磨く手間をかけるくらいなら、自分で書いてしまったほうが早い」と考え、AI活用に対してシャッターを下ろしてしまいがちでした。
その点、StoryHubは「レシピ」機能があり、直感的に調整できます。パブリッシャーが大切にしているポイントがカバーされており、プロンプトを磨くことに意識を奪われず、コンテンツそのものに向き合える点が導入の決め手になりました。

——具体的に、現在はどのような業務でStoryHubを活用されていますか。
岩本さん: 当初はプレスリリースの記事化など、型が決まりやすいものから活用を始めました。現在は活用の幅を広げ、取材メモや音声データからの記事作成、さらにはデータを活用した記事制作にも取り組んでいます。
特に効果を感じているのが、データの活用です。これまでは人間がCSVファイルやデータとにらめっこしながら、「どの情報を紹介するか」「どういう切り口で記事にするか」を考えながら執筆しており、非常に負荷の高い作業でした。
現在は、まずStoryHubでデータを網羅的にテキスト化し、それを人間が微調整するというフローに変えています。
——「データをテキスト化する」という点について、もう少し詳しく教えていただけますか。
岩本さん: たとえば各種スポーツの結果を予測する記事であれば、過去の成績や傾向などのパブリックなデータがあります。以前はこれを人間が分析していましたが、現在はデータをCSV形式などでStoryHubに読み込ませ、記事化してもらっています。
ただし、AIにただデータを渡すだけではうまく読み込めなかったりハルシネーション(もっともらしい嘘)が起きたりすることもあります。そこで私たちは、AIが認識しやすいシンプルなテーブル(CSV)を作成し、それを素材として参照させることで精度を高めています。
素材となるデータのフォーマット自体も、「どういう形式ならAIが理解しやすいか」をClaudeなどの別のAIと壁打ちして最適化しています。「悩んで止まる時間があったらAIに聞く」というのがチームの共通認識になっていますね。

(CSVデータを素材として作成し、StoryHubに読み込ませて記事化している例)
——データを用いたコンテンツは、どのように発想していますか?
岩本さん: ユーザー目線に立ち、「自分だったらどんなデータがあれば嬉しいか」「土日の競馬レースで的中するために何が必要か」を考え、必要なデータを発掘してコンテンツ化するようにしています。AIが作業を担ってくれる分、人間はそうした企画や、成果物の定義、ゴール設定に注力できるようになっていますね。
——StoryHubの導入によって、定量的な成果やチームの変化はありましたか。
岩本さん: 取材から文字起こしをして掲載するまでの時間が、以前は約2時間かかっていたところ、現在は約30分と、4分の1程度に短縮されました。一度「型」ができてしまえば、次に同じ作業をする際も破綻が少なく、安定して効率化の効果を得られています。
また、チームの意識も変化しました。StoryHubを活用したアウトプットに触れて、「AIはもうここまでやれるんだ」という実感が湧き、「触らないと時代の流れに置いていかれる」という危機感と期待感がチーム内で高まっています。
個人的に、今はコンテンツに携わる人間にとっての「ゴールデンタイム」だと考えているので、これはいい変化だと感じています。

(CSVデータを素材として作成し、StoryHubに読み込ませて記事化している例)
——「ゴールデンタイム」だと感じているのはなぜでしょう?
岩本さん: メディアに携わる人間は、「魅力的なコンテンツで世の中に貢献したい」というアイデアを誰もが持っています。しかし従来は、それを実現するためにプログラミングやコーディングなどのスキルセットも必要で、一人では形にできないジレンマがありました。
今はClaude CodeやGoogleのAntigravityなどが登場し、アイデアさえあれば「AIが形にしてくれる」時代になりました。コンテンツ制作のハードルが日に日に下がっているなかで、これを活用しない手はありません。
これからは、編集者が培ってきた「嗅覚」や「コンテキストを読み取る力」が価値の源泉になります。自分の足りない部分をAIで補い、AIと一緒に仕事をすることで、より前向きにチャレンジできる時代になったと感じています。
——今後、StoryHubに期待する機能や展望はありますか。
岩本さん: テキストだけでなく、画像や動画もStoryHub内で生成できるようになると、編集者としては非常に嬉しいですね。
また、これからはSEOだけでなく、LLMO(大規模言語モデル最適化)やAIO(AI最適化)も重要になってきます。検索エンジンやLLMにより刺さるコンテンツにするためのブラッシュアップ提案を、ツール内でサジェストしてもらえると助かります。
個人的にはマークダウンファイルの連携強化にも期待しています。ほかのAIツールとのシームレスな連携において、マークダウンは今後重要なフォーマットになると感じています。
——最後に、同じような課題を持つパブリッシャーの方へメッセージをお願いします。
岩本さん: StoryHubは「とっつきやすさ」が大きな特徴です。直感的にオンボードでき、アウトプットの精度も高い。AIツールをビジネスに活用したいと考えている方にとって、入り口として非常にフィットするサービスだと思います。
単なるツールというよりは、使い方次第ではアシスタント、あるいは社員一人分としてカウントできるほど活用の余地があります。アップデートの頻度も高く、パブリッシャーの「痒いところ」に手が届くよう進化しているので、ぜひ使ってみてほしいですね。
執筆: StoryHub(AI編集アシスタント)
編集:インクワイア