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コンテンツを「作る」から「資産にする」へ──AVILENがStoryHubで変えたマーケ設計

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2026年02月04日

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株式会社AVILEN

企業のDX・AI変革を支援する株式会社AVILENは、東証グロース市場に上場するAIソリューション企業です。AI開発、生成AI導入支援、AI人材育成を軸に、企業の変革を実行フェーズまで一気通貫で支援しており、これまでに950社以上の企業を支援してきました。

単なる技術提供にとどまらず、各社の業務や組織課題に深く入り込みながら、AIが現場で使われ、定着するところまで伴走する点を強みとしています。

取り扱うテーマは専門性が高く、導入検討には時間を要するケースも少なくありません。そのため、顧客の検討フェーズに寄り添った継続的な情報提供が、マーケティングにおいて重要な役割を果たしています。

同社ではこれまで、ウェビナーを中心としたマーケティング施策を展開してきましたが、施策が「開催して終わり」になり、知見が資産として蓄積されないことに課題を感じていました。

同社の高田洋平さんは、新聞社出身のバックボーンや東証プライム上場企業でのオウンドメディア立ち上げ・グロースなど豊富な経験を持つコンテンツマーケターです。
それでもなお、「内製でコンテンツを回し続ける仕組み」を作ることには限界を感じていたといいます。

2025年10月、同社はオールインワンAI編集アシスタント「StoryHub」を導入。
その結果、記事制作時間を既存の生成AIツールツール比で75%、ライター外注時と比較して90%削減しながら、コンテンツの質と再現性を両立する体制を構築しました。

「StoryHubは、インハウスのコンテンツマーケターの本領を発揮させるためのツールです」

AVILENがStoryHubによって、BtoBコンテンツ制作をどのように再設計したのか。その背景とプロセスを詳しく伺いました。

プロフィール
高田 洋平さん
マーケティングチームリーダー/シニアマーケター

大手地方新聞社、ビジネス系出版社での編集、広告営業職を経てブレインパッドにマーケターとして参画。2020年にDX、データ活用をテーマにしたオウンドメディア『DOORS -BrainPad DX Media-』を編集長/PMとして立ち上げ、グロース。ブランディングとプロモーションを両立したコンテンツマーケティングで成果を上げ、2022年にグループマネジャーに昇進。2025年7月よりAVILENに参画。

導入前の課題
・ウェビナー施策が「開催して終わり」のフロー型コンテンツとなり、資産として蓄積・活用できていなかった
・ライターへの外注はディレクションコストが高く、品質のズレも起こりやすい。また、執筆プロセスがブラックボックス化してしまう経験も多々あった
・既存の生成AIツールでは「素原稿どまり」の出力となり、公開可能な品質にするには大幅な手直しが必要だった

導入後の効果
・記事制作時間をライター外注比90%、既存の生成AIツール比75%削減
・3ヶ月で12本の記事を公開し、外注した場合と比較して大幅なコスト削減を実現
・ウェビナーの二次活用で制作した記事がGoogle検索1位を獲得し、月10件のコンバージョンに貢献
・「誰が書くか」ではなく、「どこに人の思考と判断を使うか」がより明確になった

「ワンソース・マルチユース」を想定したマーケティング施策の設計

——貴社におけるコンテンツの役割と、StoryHub導入前の課題について教えてください。

高田さん: AVILENが取り組むAI活用・AI変革の領域は、お客様の検討期間が長く、段階的に意思決定が行われるのが特徴です。そのためマーケティングにおいては、新規リード獲得だけでなく、獲得したリードとの関係性を維持していくことが特に重要になります。その中核を担うのがコンテンツと捉えています。

コンテンツは、お客様の課題や悩みを想定した上で、AI活用の考え方や判断軸、我々が現場で得た実践知などを提供し、検討を前に進めるための材料として機能させることを目指しています。

——以前は、どのようなマーケティング施策を行っていたのでしょうか?

高田さん: 私が2025年7月にジョインする前は、ウェビナーや展示会出展が中心でした。
ウェビナーは一次情報性が高く価値あるものですが、開催して終わりの「点」の施策になってしまっていました。ライブで見た人にしか価値が届かず、時間的制約で参加できなかった方には届けられない。フロー型のコンテンツなので知識の定着にも課題がありました。

そこで、一つのコンテンツから複数の形式に展開する「ワンソース・マルチユース」を重視するようになりました。ウェビナーを記事にすることで、ストック型コンテンツとして蓄積し、お客様が検討フェーズに応じて繰り返し閲覧できるようにする。記事はウェビナーやホワイトペーパーへの導線にもなり、コンテンツ全体をつなぐハブとして非常に重要だと考えています。

——記事制作の内製化にあたり、当初はどのような課題がありましたか?

高田さん: 当初は、以前BtoBオウンドメディア編集長を務めていた経験もあり、記事制作はライターに外注するのが当たり前という固定観念がありました。しかし、AVILENは内製志向が強い会社で、「なぜ外注するのか」と問われ、考え直すきっかけになりました。

振り返ると、ライターへの外注にはこれまで課題がありました。
企画の意図を伝えるディレクションコストが非常に高く、執筆プロセスはブラックボックス化しがちです。提出された原稿が意図とズレていることも多く、結局大きく書き換えることも少なくありませんでした。

——ライターへの外注以外に、既存の生成AIツールの活用も試されたのでしょうか?

高田さん: ライターに外注しないとなると、自分で全て書くか、ChatGPTやGeminiのような既存の既存の生成AIツールを使うしかないと考えていました。しかし、これらのツールはアイデア出しや構成案作成には優れているものの、記事として公開できる品質の原稿を安定して生成するには限界がありました。

文字数指定を守らなかったり、見出し構成が不安定だったり、論点の重複や結論の弱さが残るなど、「素原稿どまり」になりがちでした。公開可能な状態にするには大幅な手直しが必要で、結果的に工数があまり減らないという課題がありました。

ただ、実は一番のボトルネックは、「書ける人間が自分しかいない状態」だったのだと思います。自分で書けるからこそ、企画の最終判断、構成調整、表現の取捨選択まで、すべてが自分待ちになってしまう。

結果として、私が詰まると制作全体が止まる。属人的で、再現性のない体制になっていました。

コンテンツマーケティングは、本来“継続して回り続ける”ことが前提です。個人の能力で成立するやり方には、どうしても限界があると感じていました。

客観的な検証でも評価が高かったStoryHubを導入

——なぜStoryHubを選んだのでしょうか。

高田さん: きっかけは、StoryHubについて紹介したMarkeZineの記事で「AIはコンテンツマーケターのロボットスーツ」という表現に出会ったことです。全てを代替するのではなく、マーケター自身の思考や編集力を拡張する「相棒」「武器」という位置づけに強く共感しました。内製化を目指す上で最適なツールだと感じました。

AIはコンテンツマーケターのロボットスーツ。歴20年超の中山氏×ツール開発者で語る生成AI時代の戦略

——導入にあたり、既存の生成AIツールとの比較検証もされたと伺いました。

高田さん: はい。経営の承認を得るために、感覚的な評価ではなく客観的な検証が必要だと考えました。ChatGPT、Gemini、StoryHubの3つを同一条件・同一プロンプトで比較検証しました。具体的には、対談記事とSEO記事の2パターンの原稿を生成させ、その結果をChatGPTに客観的に評価させました。

結果、StoryHubが完成度、構成、編集体制の観点で最も高い評価を得ました。既存の生成AIツールの課題であった品質の不安定さがなく、「ほぼ公開可能な原稿」が安定して出力された点が明確な違いでした。また、プロンプト設計に依存しにくい「レシピ機能」によって属人性を排除し、再現性を高められる点も大きな魅力でした。

——現在の具体的な活用フローを教えてください。

高田さん: 対談記事、社員インタビューに基づくメソッド記事、ウェビナー採録記事、一部のSEO記事など、幅広いコンテンツで活用しています。

フローとしては、まず企画フェーズで既存の生成AIツールを使い企画シートを作成します。その企画シートや、インタビューや対談のボイスメモ、ウェビナー動画などをStoryHubにアップロードし、執筆・編集フェーズで活用するという役割分担です。

これにより、「書く・整える」作業に費やす時間が大幅に圧縮され、企画立案や次の施策を考える時間にリソースを配分できるようになりました。

時間・コスト削減だけではない、コンテンツ資産化の効果も

——導入後の定量的な成果について教えてください。

高田さん: 2025年10月から12月の3ヶ月間で合計12本の記事を公開しました。StoryHubを活用すると、1営業日で記事が完成します。導入以前は記事を公開していなかったので、比較が難しい面もありますが、制作にかかる時間の削減効果は大きく、既存の生成AIツールを活用した場合と比較して75%、ライターに外注した場合を10営業日として比較すると90%の時間を削減できました。

コスト面でも、12本の記事を単価5万円で外注した場合は60万円かかりますが、StoryHubのプラン料金だけで済んでおり、大幅なコスト削減につながっています。

——具体的な成果事例があればお聞かせください。

高田さん: 2つあります。

1つはウェビナー採録記事です。例えば、弊社がお付き合いさせていただいている大手企業の役員の方との対談ウェビナーを配信1ヶ月後に、外部イベントでの対談は開催1週間後に記事化できました。

開催後スピーディーにマルチユースできるため、アフターフォローの設計までできています。

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もう1つは、過去のウェビナーの質疑応答部分を記事化したものです。

このウェビナーは、最後の20分間のQAパートが非常に盛り上がっていることに着目しました。そのパートの動画と企画シートをStoryHubに投入したところ、AIエージェントの「責任分解点」という、登壇者も使っていなかった優れた表現を生成してくれました。このキーワードをメールの件名やSNS投稿にも活用できました。

また、この記事は「バックオフィス AIエージェント」というキーワードでGoogle検索1位を獲得し、12月だけで自然検索流入から10件のコンバージョンが生まれました。SEO目的で作成した記事ではなかったのですが、予期せぬ副産物として大きな成果につながりました。

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——そうした個別の成果を通じて、マーケティング全体にはどのような変化がありましたか?

高田さん:これらの成果が意味しているのは、単に記事が増えたということではありません。
コンテンツが安定して作れるようになったことで、マーケティング施策全体の設計が変わりました。例えば、ウェビナー後のアフターフォローとして記事を送る、営業が商談後に共有できるコンテンツを用意するなど、施策同士を“線”でつなげられるようになったのです。

これまでは単発で終わっていた取り組みが、コンテンツを起点に循環し始めた。StoryHubは単なる制作効率化ツールではなく、マーケティング全体を前に進める装置だと感じています。

一次情報にアクセスしやすいインハウス担当者と、第三者視点で情報を引き出すライターの協業

——StoryHubの導入は、高田さんご自身の価値観にどのような変化をもたらしましたか?

高田さん: 「(基本的に)記事制作はライターに外注して、1本あたりの原稿料がかかるもの」という固定観念がいい意味で崩れました。

「誰が書くか」ではなく、「どこに人の思考と判断を使うか」がより明確になったのです。

一次情報を握っているのはインハウスの担当者ですから、その立場にいる人間がAIを使いこなして一気通貫で完成まで持っていくのが、本来あるべき姿だと気づかされました。

また、ライターの価値も再定義できました。彼らが本当に価値を発揮するのは、取材やインタビューの場面です。第三者視点で一次情報を引き出す役割は非常に重要で、企画によっては今後もライターと協業して進めていきたいと考えています。

——今後の展望についてお聞かせください。

高田さん: 引き続き、本数を追うのではなく、質をスピーディーに高めることを重視していきたいです。StoryHub導入の真価は、単純な量産ではなく「質をスピーディーに高められる」点にあると考えています。

今後はオンラインミーティングのログなど、普段のコミュニケーションの中に埋もれている実践知をコンテンツ化するといった、予期せぬ企画にも挑戦していきたいです。

——最後に、導入を検討している方へのメッセージをお願いします。

高田さん: StoryHubは、すべてを任せればうまくいく魔法のツールではありません。むしろ、施策の目的や意図を明確にすることをより求められるツールです。考えずに使うと、成果から遠ざかってしまうでしょう。

価値ある一次情報を活かした企画は、事業や顧客に日々向き合っているインハウスの立場だからこそ実現できるものです。その企画を「思いつき」で終わらせず、しっかりと形にするための最高の相棒がStoryHubです。

自分自身が企画の責任を持ち、成果にコミットする。その実行を加速させるという意識・意志がある方にとって、本当に素晴らしいツールだと思います。コンテンツマーケターが本来向き合うべきは、コンテンツを作ることではなく、戦略的に活かすことなのですから。

執筆: StoryHub(AI編集アシスタント)
編集:インクワイア
撮影:関口達朗